代々木上原
代々木公園よりもさらに一駅西、千代田線の終点である。
↓こういう動画があったものだから、どういう街なのかと行ってみたが、とりたてて何があるわけではない。
https://twitter.com/ayasa_ito/status/1051692695503028225?s=21
ただ、東京以外の都市ではほぼ消滅してしまった個人商店や、やはり他では廃墟と化してしまったような古い街並みが、まだ「街」として生きている。そんなところだ。
東京にはこういう場所が多い。地方の都市がまだ辿り着いてはいない未来を具現化した街が存在すると同時に、それにぶら下がるようにして、他ではとうに滅び去ってしまった過去がほんの僅かな距離で同居している。
代々木上原という街も、この街にしかない魅力を具備しているというよりも、こうした魅力を持った街がもう東京以外では成立し得ないということの方がより正しい理解であるように思える。
増え続ける人口は当然都心部だけでは吸収しきれず、少し離れた古い街にも人は溢れてくる。彼らは昔ながらの魅力を再発見し、新たな活力を吹き込み、そして街は生まれ変わっていく。
おそらく、かつての日本では、こうしたサイクルが多くの場所で成立していたのだろう。しかし、今それが可能なのは東京だけだ。
本当に失われてしまったもの、完全に忘れられてしまったものに、我々は郷愁を感じることは出来ない。それは既に、「過去」としてさえ存在してはいないからだ。
いま我々は、かつてなかったようなスピードで過去を失っている。